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ロービジョンケアに関わるきっかけ

視能訓練士 嶋田
現在まで、沢山の視覚障害の方に接し、見え方の把握も患者様の気持ちも理解しているつもりでおりました。ところが、今から4年前網膜色素変性症の方の体験談を聞く機会があり、そのとき初めて医療から福祉にたどりつくまでの道程の長さを知りました。
「治療法が無いと診断された時、数箇所回った眼科のどこも障害者手帳のことや、拡大読書器等の補助具があるという情報提供をしてくれなかった。もし、教えてくれていたら絶望に苦しんだ3年間はなかっただろう。」と言われました。
この言葉は、私にとって大きな衝撃でした。 治療による視機能回復の望めない患者様に対する配慮が、私自身にも殆ど無かったことに気づかされたからです。
視能訓練士は、医師とともに医療にたずさわり、訓練に関しては斜視や弱視にのみ行う職業と認識していましたので、ロービジョンの方のその後のフォローは福祉の管轄になるので、患者様は皆障害福祉課で相談し、そのフォローを受けているものとばかり思い込んでいました。
あまりにも気づくのが遅すぎたかもわかりませんが、その遅れを取り戻す為にも強力なメンバーで構成されているKVSスタッフの一員に加えて頂きました。
3年前から当科でのロービジョンケアをスタートさせていますが、昨年から年3〜4回の予定で病院内サロンも開いています。 KVSスタッフの協力により、他には無い充実した内容が実現できています。当事者とその家族、福祉、医療関係者が集まり、情報交換や、日頃の悩み等も忌憚なく話せる場としています。

先日、二回続けて出席してくださった患者様が、「サロンに出席した後は、とても明るい気持ちになれルンルン気分で帰ります。次回も楽しみにしています。」と言って下さいました このように言って下さることが、私にとっての喜びとなり大きな力となります。
まだまだ試行錯誤の連続のロービジョンケアですが、更により良い内容にする為、これを読んで下さる皆様のお知恵もお貸しください。

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